第3章
便失禁診療の概論
5. 治療法

薬物療法:ポリカルボフィルカルシウム2

便失禁に対するポリカルボフィルカルシウムの効果

(安部達也ら:日本大腸肛門病会誌 63:483-487,2010)

  • 方法:
  • 便失禁患者72例をポリカルボフィルカルシウム3g 分3で、2週間以上治療。
  • 治療効果は、便失禁スコア(Wexner:0:便失禁なし~20:最悪便失禁)で評価。
    (著効=0点、やや改善=2点以上改善、不変=±1点以内)
  • 結果:
    • 著効:15例(21%)
    • やや改善:34例(47%)
  • 不変:7例(10%)
  • 評価不能:16例(22%):投与後不受診か有害事象で中止。
  • Wexnerスコア(評価可能56例で):中央値11→5と有意に改善。