第3章
便失禁診療の概論
5. 治療法

肛門括約筋再建術（graciloplasty等）

  • 大腿薄筋を遊離して肛門管に巻き付け反対側の坐骨に薄筋遠位側の腱を縫着することによって肛門管を適度な圧で閉鎖して
    便禁制を保つ手術。
    本手術の適応は他の外科治療が無効な重度の便失禁で、ストーマを造設する以外に手段がない場合に選択される場合が多い。
  • 本手術は便失禁に対する外科治療の選択肢の一つとして有用である。
    ただし手術手技の難易度が高く、技術習得に症例数を必要とするため限られた専門施設において行われるべき外科治療である。

肛門括約筋再建術
※本ページ文献1より引用
  1. 吉岡和彦ら：直腸肛門機能性疾患に対する治療
    有茎薄筋移植を中心に.
    日本大腸肛門病学会雑誌. 2007;60:906-10.
  2. Chapman AE, et al: Systematic review of dynamic graciloplasty in the treatment of faecal incontinence.
    Br J Surg. 2002;89:138-53.
  3. Walega P, et al: Adynamic Graciloplasty in Treatment of End-Stage Fecal Incontinence: Is the Implantation of the Pacemaker Really Necessary? 12-Month Follow-Up in a Clinical, Physiological, and Functional Study.
    Gastroenterol Res Pract 2015; 69:851-6.