第3章
便失禁診療の概論
5. 治療法

その他 挿入型肛門用失禁装具(アナルプラグ)

  • 専用の装具を直腸肛門に挿入・留置して、肛門に栓をすることによって便失禁を防ぐ治療法であり、その肛門留置を心理的にも身体的にも不快に感じないで継続使用できれば便失禁に対して有用である。

    Deutekom M, et al: Plugs for containing faecal incontinence.
    Cochrane Database Syst Rev 2015; 7:CD005086.)

  • 直腸肛門の感覚が正常な患者では、その肛門留置による不快感に耐えられないことが多いため脊髄障害や高齢で直腸肛門の感覚が
    低下している患者が良い適応と考えられる。
  • しかし、直腸肛門の感覚が正常でも快適に使用できる患者も存在し、継続使用できれば便失禁を効果的に防ぐことができるため、
    他の保存的療法が無効か適応できない患者には本治療法の情報提供をすることが望ましい。


画像提供:自治医科大学 味村 俊樹 先生